イーグル銀貨とは?価格・TYPE1とTYPE2の違い・鑑定スラブの読み方|アメリカン・シルバー・イーグルを専門店が解説

イーグル銀貨とは 価格・TYPE1とTYPE2・鑑定スラブ 専門店が解説 銘柄ガイド

「銀貨を1枚買ってみたい」という方に、当店の店頭でメイプルリーフ銀貨と並んで最初に候補に挙がるのが、アメリカのイーグル銀貨(アメリカン・シルバー・イーグル)です。1986年の発行開始から40年、世界でいちばん多く売れている地金型銀貨で、当店でも2026年銘が毎月まとまった枚数で動いています。この記事では、イーグル銀貨がなぜ選ばれるのか、2021年に変わった裏面デザイン、鑑定スラブの「ラベル」の読み方、そして売るときの見方を、日々仕入れと買取で実物を扱っている専門店の目線で解説します。

この記事でわかること

  • イーグル銀貨の基本情報(純度・重さ・大きさ・額面)と、世界で一番売れている理由
  • 本日の当店価格と、価格の決まり方(メイプル銀貨より少し高い理由)
  • 2021年の裏面デザイン変更(TYPE1/TYPE2)と偽造対策
  • PCGS・NGCの鑑定スラブと「初日発行」などラベルの読み方。地金型とどちらを選ぶか
  • 買取のときに見られること(旧年号・ミルクスポット・スラブ)
イーグル銀貨とは 価格・TYPE1とTYPE2・鑑定スラブ 専門店が解説

イーグル銀貨とは?

イーグル銀貨は、アメリカ合衆国の造幣局(United States Mint)が1986年から毎年発行している地金型銀貨です。正式名称はアメリカン・シルバー・イーグル(American Silver Eagle)。純度99.9%の銀1オンス(31.1g)で、アメリカの法定通貨として1ドルの額面が付いています。

名称 イーグル銀貨(アメリカン・シルバー・イーグル/シルバーイーグル)
発行国・発行元 アメリカ合衆国・合衆国造幣局(United States Mint)
発行開始 1986年(2026年で発行40周年)
純度・重量 99.9%・31.1g(1トロイオンス)
直径・厚み 40.6mm・約3.0mm(1オンス銀貨のなかでは大きめ)
額面 1ドル
サイズ展開 1オンスのみ(プルーフ・バーニッシュなどの収集用も同じ1オンス)

地金型の銀貨は、金貨と違ってほとんどの国が1オンスの1種類だけを発行しています。イーグルも同じで、規格が完全に統一されているぶん、世界中どこでも「シルバーイーグル1枚」で通じます。

なぜイーグル銀貨は選ばれるのか

メイプルリーフ銀貨より1枚あたり数百円高いのに、イーグルを選ぶ方の理由ははっきりしています。デザインがかっこいい、そしてアメリカだから。この2つです。

イーグル銀貨 表面 ウォーキングリバティ 2026年銘
表面「ウォーキング・リバティ」。朝日に向かって歩く自由の女神

表面の「ウォーキング・リバティ」は、彫刻家アドルフ・A・ワインマンが1916年の50セント銀貨のために作ったデザインで、アメリカのコインのなかで最も美しいと言われてきた図柄をそのまま使っています。朝日を背にして歩く自由の女神、なびく星条旗、月桂樹の枝。100年以上前の彫刻がそのまま現行の銀貨になっている、というのは他の国の地金型にはない魅力です。

もうひとつの「アメリカだから」は、単純ですが強い理由です。アメリカには銀貨を「プアマンズゴールド(貧者の金)」と呼んで、金を買えなくても銀貨を1枚ずつ手元に置く文化が根づいています。銀貨を集める人の多くはそのアメリカのコイン文化に触れて入ってきますし、鑑定会社(PCGS・NGC)もアメリカの会社。世界で最も流通枚数が多く、買い手も売り手も最も厚い市場を持っているのがイーグル銀貨です。「ちょっと高くても、いちばんメジャーなものを1枚」という選び方は、専門店としても間違っていないと思います。

本日のイーグル銀貨の価格

イーグル銀貨に定価はなく、価格はその日の銀相場で決まります。

販売価格の目安 = その日の銀1gの相場 × 31.1g + プレミアム(造幣局の発行手数料+流通コスト)

プレミアムの部分がメイプルリーフ銀貨より少し高いのは、厳密に言うと造幣局が出荷するときのプレミアムが他国より数%高いからで、それがそのまま販売価格に乗っています。そこに人気で需要が厚いことが加わります。当店の現行年銘の販売価格は相場に合わせて1日2回見直しており、下の表は自動で更新されます。

サイズ 当店販売価格(税込)
1オンス(現行年銘・1枚) 14,220円 商品ページ
5枚セット 70,550円 商品ページ
20枚セット 278,000円 商品ページ
PCGS MS70 ブラックラベル(初日発行) 32,330円 商品ページ
NGC MS70 40周年ラベル(初日発行) 19,580円 商品ページ

最終更新: 2026年09月24日 17:43。価格は金相場に連動して1日2回見直しています。表示は更新時点の価格で、ご注文時は商品ページの価格が適用されます。

ミントロール(チューブ)は何枚入り? — 国によって違います

まとめ買いをする方から必ず聞かれるのが「ロールは何枚入り?」です。造幣局から出荷されるプラスチックの筒(ミントロール、ミントチューブ)の枚数は国ごとに違い、イーグル銀貨は20枚入り。500枚入りの箱(モンスターボックス)には20枚のロールが25本入っています。メイプルリーフやブリタニア、カンガルーは25枚入り、ウィーンは20枚入りです。当店の5枚・20枚のセット価格はこの単位に合わせています。

銀相場そのものの動きは今日の銀価格で毎朝更新しています。1オンス銀貨全般の価格の見方は1オンス銀貨とは?にまとめました。

裏面のデザイン変更 — TYPE1とTYPE2

イーグル銀貨 TYPE1とTYPE2の裏面デザイン比較

イーグル銀貨は表面が40年間変わらない一方で、裏面は2021年に一度だけ変わりました。1986年から2021年前半までがTYPE1。彫刻家ジョン・メルカンティによる、盾を抱いた紋章風の鷲です。2021年後半からがTYPE2。エミリー・ダムストラによる、オークの枝をつかんで舞い降りる写実的な鷲に変わりました。

2021年銘だけはTYPE1とTYPE2の両方が存在するため、コレクターの間では「2021年はどちらのタイプか」が必ず話題になります。TYPE1の最終年、TYPE2の初年ということで、鑑定スラブ入りの2021年銘は両タイプとも人気があります。

2021年に加わった偽造対策

TYPE2への移行と同時に、造幣局は偽造対策を強化しました。目に見えるものでは縁のギザ(リーディング)の一部分だけ間隔を変えた「リーデッドエッジ・バリエーション」で、縁をぐるりと見ると1か所だけ刻みの様子が違う部分があります。このほか公表されていない細部の加工もあり、TYPE2以降の偽造品は以前より格段に見分けやすくなりました。店頭でTYPE2の真贋を見るときは、重量(31.1g)・直径(40.6mm)を確認したうえで、この縁の1か所を見ています。

鑑定スラブと「ラベル」の読み方 — 地金型と、どちらを買うか

イーグル銀貨 鑑定スラブとラベルの例 PCGS MS70 ブラックラベル NGC MS70 40周年ラベル

イーグル銀貨は、鑑定会社(PCGS・NGC)が状態を評価してプラスチックケースに封入した「スラブ」の流通が、地金型銀貨のなかで群を抜いて多いコインです。同じ2026年銘の1オンスでも、裸の地金型と、MS70(最高評価)のスラブでは値段が2倍近く違うことがあります。その差を生んでいるのが「ラベル」です。

ラベルの種類 意味
MS70/MS69 状態のグレード。70が最高で、傷が一切ないもの。69はごく小さな傷まで
First Day of Issue(初日発行)/First Strike/Early Releases 発行初日、または発行から30日以内に鑑定会社へ提出されたことの証明
造幣所ラベル(W=ウェストポイント、S=サンフランシスコ、P=フィラデルフィア) どの造幣所で打たれたか。地金型は造幣所記号が刻印されないので、鑑定会社が出荷箱の記録から確認してラベルに書く。通常はウェストポイントだが、需要が急増した年(2020〜21年など)はサンフランシスコやフィラデルフィアからも出荷され、その分は希少扱い
記念ラベル(40周年など) その年の記念デザインのラベル。2026年は発行40周年
デザイナーサインラベル 彫刻家(メルカンティ、ダムストラなど)の直筆サイン入りラベル

店として正直な意見を書いておきます。目的が「銀を持つこと」なら、希少なものを除いて裸の地金型で十分です。中身は同じ1オンスの銀で、スラブ代とラベル代の分だけ割高になり、売るときにその分が戻ってくるとは限りません。

ただ、「発行初日」「最終年」「40周年」といったロマンは、スラブでしか味わえないのも本当です。2021年のTYPE1最終年とTYPE2初年、2026年の40周年ラベル。あとから同じものを手に入れるのは難しく、集める楽しさは裸の地金型にはありません。「銀として持つなら地金型、その年の物語ごと持つならスラブ」。当店ではそう使い分けをお伝えしています。

プルーフ・バーニッシュ — 収集用のイーグル

2021年銘 イーグル銀貨 プルーフ 専用箱 証明書
プルーフ銀貨は専用箱と証明書付き。造幣所記号(W・S)が入る

地金型のほかに、造幣局は毎年プルーフ(鏡面仕上げ)バーニッシュ(Burnished・つや消し仕上げ)の収集用イーグルを発行しています。専用箱と証明書が付き、地金型と違って造幣所記号(ウェストポイント=W、サンフランシスコ=S)が刻印されます。発行枚数が限られ、価格は銀の価値より仕上げと希少性で決まるので、こちらは「銀を持つ」より「集める」ためのコインです。

イーグル銀貨の買取 — 旧年号・ミルクスポット・スラブ

2005年銘 イーグル銀貨 買取品 旧年号
当店で買い取った2005年銘。旧年号でも1オンスの銀としての価値は同じ

当店の買取で入ってくるイーグル銀貨は、圧倒的に旧年号(2000年代〜2010年代)が多いです。20年前に買った方が手放すタイミングになっているからで、査定の考え方は単純です。

買取価格の目安 = その日の銀1gの相場 × 31.1g −(店の手数料分)。年号による減額は基本なし
  • 旧年号 — 地金型なので年号で価値は変わりません。2005年でも2026年でも同じ「1オンスの銀」として査定します。TYPE1(2021年前半まで)はもう発行されないので、状態が良いものは少しだけ評価が乗ることがあります
  • ミルクスポット — イーグル銀貨に出やすい白い斑点で、造幣局の製造工程が原因。銀の価値には無関係で、地金型の査定への影響は小さいです。スラブ入りでは評価が分かれます
  • スラブ入り — MS70やラベルの種類で査定が変わります。裸に戻さず、スラブのままお持ちください
  • 磨かない — 黒ずみや変色は自然なもの。磨くと傷が付き、スラブ評価では減点になります

当店では店頭・郵送でイーグル銀貨を買い取っています。枚数が多い場合も対応します。買取のご案内はこちら。銀貨全般の買取の見方は銀・銀貨の買取ガイドにまとめています。

手に取ったら見てほしい、イーグル銀貨の豆知識

IN GOD WE TRUST(我々は神を信じる) — 表面の右側に刻まれたアメリカの国の標語。南北戦争中の1864年に2セント硬貨で初めて使われ、1956年に正式な国の標語になりました。アメリカのすべての硬貨に入っています。
E PLURIBUS UNUM(多数から一つへ) — 裏面の鷲のそばの言葉。13の植民地から一つの国ができたことを表す、建国以来の標語です。
造幣所はどこで分かる? — 地金型には刻印がありません。プルーフやバーニッシュは表面の下部、女神の足元あたりに小さく「W」(ウェストポイント)や「S」(サンフランシスコ)が入ります。地金型の造幣所は鑑定スラブのラベルでだけ分かります。
彫刻家のイニシャル — 表面の裾のあたりにワインマンのモノグラム「AW」。TYPE2の裏面には、デザイナーのエミリー・ダムストラ「EAD」と、それを彫刻したマイケル・ガウディオソ「MG」のイニシャルが入っています。ラベルに「デザイナーサイン」と書かれたスラブは、この人たちの直筆サインが付いたものです。
1 OZ. FINE SILVER ONE DOLLAR — 裏面の縁の文字。「純銀1オンス、額面1ドル」。1ドルで使えますが、使う人はいません。

他の1オンス銀貨との比較

銀貨 発行国 純度 直径 特徴
イーグル アメリカ 99.9% 40.6mm 世界最多の流通量。鑑定スラブ市場が最も厚い。ミントロールは20枚入り
メイプルリーフ カナダ 99.99% 38.0mm 放射状ラインとマイクロ刻印の偽造対策。ミントロールは25枚入り
ブリタニア イギリス 99.9% 38.6mm 2021年から4つの偽造対策。ミントロールは25枚入り
ウィーン オーストリア 99.9% 37.0mm 楽器のデザイン。ミントロールは20枚入り
カンガルー オーストラリア 99.99% 40.6mm 毎年図柄が変わる。ミントロールは25枚入り

どれも同じ1オンスの銀で、換金性に大きな差はありません。イーグルを選ぶ理由はデザインとアメリカという「好み」の部分で、それで十分だと思います。

よくあるご質問

Q. イーグル銀貨はなぜメイプル銀貨より高いのですか?

銀の量は同じ1オンスですが、合衆国造幣局が出荷するときのプレミアムが他国より数%高く、それが販売価格に乗るためです。人気で需要が厚いことも理由のひとつです。金額の差は上の本日価格の表で確認できます。

Q. TYPE1とTYPE2、どちらが価値がありますか?

地金型としては同じ1オンスの銀で、価値の差はありません。コレクションとしては、もう発行されないTYPE1と、2021年の両タイプが人気です。鑑定スラブ入りで初日発行などのラベルが付くと差が出ます。

Q. 偽物の見分け方は?

重量31.1g・直径40.6mm・厚み約3.0mmを測り、2021年以降のものは縁のギザに1か所だけ間隔の違う部分(偽造対策)があるか確認します。磁石に付くものは偽物です。心配なときは信頼できる販売店で購入するか、鑑定スラブ入りを選んでください。

Q. ミルクスポットがあると価値は下がりますか?

地金型ではほぼ下がりません。銀の価値には無関係で、造幣局の製造工程で出る白い斑点です。鑑定スラブ入りの場合は、コレクション価値の面で評価が分かれます。

Q. 裸の地金型とスラブ入り、初めてならどちら?

銀を持つのが目的なら地金型で十分です。「発行初日」「40周年」のような物語ごと持ちたい方はスラブを。当店では両方を店頭で並べて見比べていただけます。

Q. 手持ちのイーグル銀貨を売りたいのですが。

当店で買い取ります。旧年号でも同じ1オンスの銀として査定し、スラブ入りはラベルも含めて評価します。買取のご案内はこちら

販売中のイーグル銀貨

当店で現在ご注文いただける商品です。価格は相場に応じて日々変動します。

イーグル銀貨の一覧を見る →

まとめ

イーグル銀貨は、100年前の名デザインをそのまま受け継ぎ、世界でいちばん多く売買されている1オンス銀貨です。銀として持つなら裸の地金型で十分。発行初日や40周年の物語ごと持ちたいなら鑑定スラブ。目的を決めれば、選び方は難しくありません。2026年は発行40周年の年。手に取るきっかけにはちょうどいい年です。

この記事を書いた店
恵比寿コイン(運営: MKインターナショナル株式会社/東京・恵比寿)
恵比寿の実店舗とオンラインショップで、地金型コイン・記念コインの販売と買取を行っている専門店です。イーグル銀貨は地金型・鑑定スラブ・旧年号の買取品まで日常的に扱い、毎朝のスポット相場確認から値付け・査定まで本人が行っています。記事中の相場観は実取引の体感に基づくもので、将来の価格を保証するものではありません。

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